全体的にくすんだ午前二時の妄想で強姦した女が身ごもった
おれは胎児に嫉妬し おれも女陰から女の子宮へ入り込んだ

子宮内の胎児は薄ら笑いを浮かべていた
その顔が誰かに似ているので、はて…とおもうと
おれの親父そっくりなのだった

羊水はワインレッド その成分は不凍液に近かった


やがて想像妊娠で生まれた赤ん坊の精液は
あんのじょうアルコールであった


せんずりのし過ぎで精液が尽きる 代わりに鮮血が男根より漏れる
だか性衝動は尽きない おれは床に鮮血をまき わめきながら
せんずりを続行した

そう おれの名はせんずりっく・あにまる…
"りびどう"の体現者 



きっと
腎虚で死んだ醜い老人の生まれ変わり






やがておれは八十歳となり、八億の子供――みな想像妊娠で生まれた――の父親となっていた。

しかし、すずめ百まで踊り忘れず
八十歳になっても性衝動は尽きず
おれはせんずりを続けている
あいもかわらず…!

(だがしかし、男根から漏れる血は、むかしのように鮮やかな赤ではなく、茶褐色のどろりとしたものになっていた)


死ぬまで俺は男根から血を吐くのだ